私はずっと自分は簡単に妊娠できる人だと思ってきました。私の生理は規則正しく、経血量と日数も正常で、生理痛での違和感という問題もほとんどありませんでした。だから結婚後には、すぐに妊娠して子供を産もうという心積もりは全くなかったのです。
ですが自分と同年齢の友達が次から次へとみな子供を産んでいるのを目にして、年長者のなかにも私達がいつになったら妊娠・出産するのか気にかける人が出始めました。こうして私はようやく自分も30歳になったんだ、人生の次の段階をしっかり計画しなければと意識するようになったのです。そこで主人と相談してから、私達は赤ちゃんを産んで家族にしよう、だから半年の出産計画を積極的にやろうと決めたのです。私の親友は毎月やはり時間通りに知らせが来ます。私は妙だと思い始めました。私の場合、明らかに毎月の危険期は時間が当たっているのに!どうして妊娠していないのだろう?どこか問題があるのでは?
そこで私は近くの産婦人科診療所に行き検査をしました。先生は私にまず3カ月間基礎体温を量るようおっしゃいました。それが終わると「あなたの高温期は10日程度で多少短いです。プロゲステロンが足りないはずですので、経口排卵誘発剤とプロゲステロンを処方して差し上げましょう」とおっしゃいました。ですが2カ月飲んでも、効果は全くありませんでした。卵管造影検査もして、輸卵管に閉塞があるかを見てみました。主人にもついでに精液分析をしました。卵管造影は本当に不快感を覚えるものだったとしか、私には言いようがありません。検査時には私は全身の力で手を握り締め、痛くて冷や汗がでるぐらいでした。子供を産むとはここまで困難なのかと思ったのです。
出てきた結果は、私の輸卵管には閉塞がなく、主人も全て正常ということでした。そこで先生は引き続き経口排卵誘発剤とプロゲステロンを飲むようにおっしゃいました。その回では、私は本当に妊娠するとは思えなかったのです!
更に場所を病院に移して妊娠検査を行いましたが、7週目に入って先生から、「あなたの胎児からは鼓動が計測できません。恐らく枯死卵でしょう。8週目に入ったらもう1回測定します。それでまた鼓動がなかったら、人工流産手術をします」と言われました。私は天国から地獄へと突き落とされた気がしました。1週間待ち続け、不安がいっぱいの中で1日が1年のように長く感じる気分は何とも言えません。結局、私は人工流産手術をすることになりました。私は2カ月休みを取ってから、勇気を奮い起こして不妊症外来を受けに行きました。その回、先生は超音波写真を撮ってから、「あなたの右側には2センチの卵巣チョコレート嚢胞があります。子宮内人工受精を直接すれば妊娠できる可能性があがりますよ」とおっしゃいました。
家への帰り道、私は頭が真っ白になっていました。妊娠しにくい原因が、卵巣チョコレート嚢胞があることだったからなのです。そこで私は先生の提案に従い、子宮内人工受精を合計3回行いました。私は生理直前の3.4日間に気持ちが落ち込み、怒りやすくなり何も集中できないことに、とうとう気づきました。毎回トイレに行くのも怖かったのです。生理が来るのではと怖かったからです。こうして子宮内人工受精を3回し、3回の失敗に耐えました。主人にも「もうあきらめればいい。無理に子供子供って言わなくてもじゃない。実際2人の世界だっていいじゃないか。子供がいればいろいろ面倒だし」と言われました。私は黙って返す言葉がありませんでした。私には、こういうことを言うのは単なる慰めだと分かりました。ただ私の気持ちは自分と同じような境遇の人でなければ実感できないから、味わった苦しさは人には話せず、心に留めておくしかなかったのです。このような出産のプレッシャーは周りから言われなくても、自分で自分にかけていたので圧迫感を覚えました。
数日後に、私は主人に、「私も32になるわ。私、自分にもう一度チャンスを与えたいの。もし今年も妊娠できなければあきらめるわ」と言うと、主人からは、「それなら試験管内受精専門で権威のある先生に当たってみたら」と言われました。そのことで、インターネットで情報を検索し続けていると、従来の試験管内受精は治療過程全体でとてもたくさん注射剤を打つということなので、少し怖くなりました。最後まで子供が産めずに、かえって乳がんになってしまうというのも、悲慘過ぎる話でした。私は権威のある先生について情報を求めました。本当にたくさんの不妊症患者がその方の診断を受けていたのです。
その後、無意識に私は張宏吉先生のブログを見ていました。書かれていたのは新たな不妊症治療法~自然周期療法~でした。ブログの体験談を読んで私は多少心が動かされました。もし自然周期療法と従来の試験管内受精で成功率が同じなものの、注射剤4本と服薬だけで済み、費用も遥かに安いというのなら、或いは試して見る価値があるかもしれません。生理期間の2日目に私は張先生の外来に来ました。患者一人一人に張先生は自ら超音波写真を撮っていたので診察時間が長めでした。そしてついに私の番になりました。超音波写真が終わったら診察室に入りました。張先生はとても根気強く私が話す病歴を聞くと、私の超音波写真を見てから、「あなたはご自分に異所性子宮内膜症があるとご存知ですか?」と尋ねられました。
私は「卵巣チョコレート嚢胞があることしか知りませんでした」と答えました。張先生は、「そうです。つまり子宮内膜細胞が経血に従って腹腔まで逆流し、卵巣まで侵入した時に卵巣チョコレート嚢胞を形成するのです」「しかも異所性子宮内膜症により不妊症が起こることもあります。あなたは恐らく異所性子宮内膜症により輸卵管の卵管采が癒着しているのでしょう。そして卵巣が排出した卵子を捉えることができずに、妊娠できないのです」とおっしゃいました。私はついに自分の不妊症の原因を理解し、張先生の提案のもとで自然周期療法を受けることを決めたのです。
治療期間は正直な話、気を楽にできました。定期的に再診をして採血と超音波写真を行うほかには、自分で期日通りに注射剤4本の注射と服薬を行い、苦しさもなく、生活でもそれほどの不便もありませんでした。こうして私の初回の自然周期療法は、移植後の14日目に解答が出るのです。朝一番に起きてから、私自身はこっそりとトイレで妊娠検査をしました。
私は自分の鼓動が速まっているのを感じ、妊娠検査薬に少しずつ表示されていくのを見ながら、息もできなくなりそうでした。まるで自分に死刑が宣告される感覚でした。そして結果は…………………妊娠検査薬にははっきりと1本の線が……………。
失敗だったのです!
私は本当に、不妊症治療は一層険しい道のりになるなと感じました。体が受ける苦しさはまだ耐えられますが、心に積み重なったプレッシャーには孤独感と絶望感に苛まれました。それにこの道のりがいつになったら終わりなのか、私は歩き続けなければならないのかも分かりませんでした。
1カ月休息を取ってから私はまた張先生の外来にやって来ました。どうして失敗したのか、どうして私に分からないのか知りたかったのです。張先生からは、「卵子と精子は受精していますが、分裂の状態が良くありません。卵子に質的に良くないのがあるのです」と言われました。本当に青天の霹靂でした!私は、「卵子の質が悪いとは?どうしてですか?」と尋ねると、張先生からは「異所性子宮内膜症があって、恐らく何らかの物質が分泌され、卵子の質に影響しているのです」と言われました。もうすでに我慢の限界で行き場がなくなってしまったと感じました。もし異所性子宮内膜症が原因なら、いっそのこと手術して、癒着した箇所と卵巣チョコレート嚢胞を取り除いてしてから、すぐに妊娠すればいいわ」と思いました。そこで張先生に「それでは私は腹腔鏡手術を行って異所性子宮内膜症を治療します」と言うと、張先生は厳しい口調で、「それはいけません。そんなばかなことをしてはいけません。どうしてそんな苦しみに耐えなければならないのですか。私は絶対にダメだと申し上げます。私は手術してからも不妊症だったり癒着していたりする患者をあまりにもたくさん見てきたのです。それは本当に必要ないことなのです」とおっしゃいました。私はしばし沈黙していました。張先生は、「あなたは必ず母さんになれますよ。私を信じて下さい。慌てないで。もう1回試してみませんか?私は質が良い卵子を1つ見つけるだけで、あなたをお母さんさせてみせると誓います」とおっしゃいました。「分かりました」!私は何の戸惑いもなくこう口にしました。私は本当にあきらめるつもりだったのです。以前さまざまな治療をあれほどたくさんしてきましたが、その度に失敗でした。本当に疲れたのです。ですが目の前にいる張先生の自信に満ちた、真摯な態度を目にして、私は心の底から先生を信じ、信頼するようになりました。こうして私は2回目の自然周期療法を行ったのです。
今回は、私は以前ほどは損得感情が強くなくなっていました。できるだけ平常心で臨んだのです~
自然周期試験管内受精は、こんなふうに試し続けました…….
妊娠検査の時刻になると、私は妊娠検査薬を手に持って大きく息を吸い込みました。こうして妊娠検査薬を見ながら少しずつ持ち上げて結果を待つのは、もう何度目にもなります。はっきりとした1本の線でした。私は数秒あっけにとられ反応できずにいました。目に入った妊娠検査薬に少しずつ2本目の線が現れました。私は信じられないと目を見開きました。成功でした…..私は本当に妊娠したのです!
再度張先生の外来に伺い採血と超音波検査を受け、私の妊娠は確定しました! なおかつ双子だったのです!!!!!!
私は本当に興奮し満足でした。看護士さんからは妊娠7週目の時点で再診に来て超音波写真を撮り、胎児の鼓動を見てみるようにと言われました。心の中では思わず、1年余り前に枯死卵で人工流産手術をした経験を思い出しました。その日、超音波写真を行い胎児の鼓動を見た時に、今までになく緊張し、目線がスクリーンに釘付けになったのを覚えています。1人目の赤ちゃんの鼓動を聞いた時には私は少しばかり心を落ち着けていました。2人目の赤ちゃんの鼓動を聞いた時には、気がついた時には、とっくに涙が滴り落ちていました。
張先生は、「赤ちゃんの鼓動を聞かれましたね!双子の妊娠です。おめでとうございます。あなたはなんとすごい方なのでしょう。治療は終了です!終了ですよ!」「あなたは今妊娠したのをご覧になりました。生理はありません。卵巣チョコレート嚢胞もついでに治っています!当初手術しなかったのは危険でした!」とおっしゃいました。実際、張先生こそすごい方だと言いたいです。私の夢をかなえて下さったからです。ただその時には先生にそうは言いませんでした。自分が泣き出すのではないかと思ったからです。
張先生には感謝の気持ちを申し上げたいです~あきらめないように励ましていただき、ありがとうございます!それでこそ今日の結果があるのです。生殖医学センターの看護士さん全員にも感謝いたします。皆様の親しげで根気強い態度に心暖まりました。皆様がどれだけ忙しく疲れていても、患者にはいつまでもいっぱいの笑顔をたたえてくださり、患者一人一人の名前まで覚えていて、まるで友達のように接していただきました~張宏吉先生、そして生殖医学センターの専門医療チームに心から感謝いたします!
私はこの体験談が、自分と同じ境遇にある不妊症の女性達を励まる力になればとも思います。もし皆様がこの体験談を目にすることがあり、まだ見当もつかずになすすべもなく、誰に診察に伺ったらいいか分からないか、すでに妊娠出産という考えをあきらめてしまっているのでしたら、自分にもう一度機会を与えて下さい!自然周期療法を試してみて下さい!あなたも母親になる夢がかないますから。