. 検査薬に現れるマークが私と妻にとってどれほど大切な存在か、他の人にはわかってもらえないでしょう。マークはきっと神様がくれた天使です。私たちの心に喜び・希望・想像の種を蒔き、私の妻を、体内で発芽させて育てていく母親にしてくれました。
2015年12月6日、妻が心の中でお経を唱えている時、いつもと違う特別なひらめきがありました。12月7日、マークが現れ、第一関門を突破したことを知って感激しました。張先生と神様に感謝し、これから始まる大人2人と子ども1人の生活に思いを馳せました。
不妊治療専門の医師を訪ね始めてもう12年になります。さまざまな名医を訪ねては失敗と再チャレンジの繰り返しで、焦りと不安を感じてきました。私たちの生活は、注射、診察、失望、また心を奮い立たせて新しい治療に挑むということの繰り返しでした。ただ私は、妻が苦しい思いをするのが心配で、治療をやめて2人だけの人生を過ごしていこうと考えていました。
2015年の夏(6月)、やはり子どもが好きなので里親になる方法について調べていたのですが、その中で「卵子提供」というキーワードが目に留まりました。妻は否定すると思っていたら意外にも肯定的だったので、すぐにネット検索したところ、宏孕の張先生を、マークを火星から地球へ連れてくる総司令官を見つけたのです。
まるでハードル競争のように、一番良い胚盤胞を選びお腹に入れてからがまた試練の始まりで、着床するかどうか、子宮外妊娠しないか、心拍はあるか、とても心配でした。12年前の私たちの初めての受精卵は、染色体異常のために手術で処理しなければならなかったのでよけい不安でした。
張先生、培養士、看護師のみなさんには努力してくださり、また私達のお願いをきいてくださり感謝しています。
もし小さな天使が自分で親を選んで生まれてくるとするならば、私と妻が真面目で細やかでそして厳しい、良い親だということを知っていたに違いありません。だからこそ私たちのような高齢夫婦のもとに産まれてきてくれたのです。
最後に、神様(観世音菩薩)の采配と張宏吉院長のサポートに感謝いたします。いま私たちは人生の重要な転換点にいて、新しい生命を迎えるにあたり、大きな期待とプレッシャー、そしてそれよりももっと大きな喜びを感じています。

また、皆さんが興味があるけれど私たちに聞きにくいであろうテーマについて、お話したいと思います。
キーワード:胚盤胞のグレード、aCGH/着床前スクリーニング検査
私たちは5日目まで培養した胚盤胞のうち、Aグレードの胚盤胞を2個選んで移植しました。3BBの胚盤胞を一個移植した場合の妊娠率が70%~75%、累積妊娠率が85%に達すると言われていますが、今回私達は最高グレードの2個を移植しても1つしか成功しませんでした。ここから分かることは、一番優秀な宇宙飛行士を選べばそれでいいのではなく、宇宙船(子宮)の状態も火星ベイビーを地球に連れて帰れるかどうかも重要な要素だと言えます。