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超急速ガラス化凍結技術
従来の緩慢凍結法では、冷却するとき細胞内に氷晶が形成されやすいため、細胞はダメージを受けていました。それを解決しようと超急速ガラス化凍結技術が生まれました。この方法は濃度の高い凍結保護液を細胞に浸透させてから、細胞を-196⁰Cの液体窒素で瞬時に凍結させます。この方法で凍結された細胞は細胞内に極端な粘度があるため、ガラスの状態で氷晶が形成されにくく、融解された後の細胞生存率を大幅に上げることが出来ます。統計によると、超急速ガラス化凍結の細胞生存率は98%と高いのに対して、従来の緩慢凍結法での生存率はわずか55%でした。

超急速ガラス化凍結技術の適用範囲
1.次周期の移植のために保存
当院では基本的には1回の移植で1つの胚を移植することをおすすめしておりますが、台湾の人工生殖法では一度に移植出来る胚は4つまでと定められております。グレードの高い胚が4つ以上培養できた場合、今周期移植しない胚は凍結保存しておくことが出来ます。
1980年代、サイエンティストは胚の凍結に成功しました(昨今行われている体外受精治療のうち、その16%が融解された凍結胚を移植し成功しています)。それに対して、卵子の凍結技術は近年でようやく成熟してきました。卵子は単一細胞で、内部に含まれる水分の比率が高いため、今までの緩和凍結法だと卵子を氷晶化させダメージを与えます。この10年で、放射線治療を受ける癌患者向けに卵子の凍結保存を提供する病院が増えてきましたが、成功率は低下しています。
2006年、超急速ガラス化凍結法(Vitrification)の技術が開発されて以来、様々な分野で活用されてきたと、ニューヨーク大学病院がその素晴らしい成果を発表しました。当院院長の張宏吉医師も2001から2007年までニューヨーク大学病院で卵子凍結技術の開発チームの主要メンバーの一人として開発に参加していました。

2.自然周期/刺激控えめ体外受精治療により着床率がUP
統計によると、凍結胚移植の着床率は新鮮胚移植より高い傾向にあります。それはより多くの卵子を採卵するために排卵誘発剤を使用しますが、その結果子宮内膜の厚みが足りなくなり、着床率の低下に繋がるということが研究により分かりました。超急速ガラス化凍結技術で良質な胚を保存しておけば、子宮の状態が最適の周期に移植すれば、成功率も高くなるのです。

3.採卵と採精のタイミングが合わない時に
ご主人が奥様の採卵日に来れない場合、前もって精子を凍結保存しておけば採卵日に融解して受精できます。

4.ドナーから提供された卵子と精子の保存
超急速ガラス化凍結技術のおかげで、融解した細胞の生存率が顕著に上がりました。ドナーとレシピエントのタイミングを合わせることなく受精など次の工程に進むことが出来るため、マッチングの困難度が低減されます。

5.生殖能力の保存
放射線治療や抗ガン剤投与の副作用として、一時的に生殖機能を失うこともあります。排卵しなくなったり、精巣で精子が作られなくなったり、永遠にその状態が続くケースもあります。近年では癌の治療技術が進歩したことにより、生存率が上がりました。癌患者の生殖能力の保存問題も多いに注目されてきました。生殖医療技術の進歩はこれら癌患者達に希望を与えるでしょう。
既婚の夫婦は胚を凍結保存することができ、未婚の男女は自分の精子や卵子を将来のために保存しておくことができます。将来のライフプランが異なる人でも、あるいは特別な治療を受けなければならない人でも、誰でも超急速ガラス化凍結技術で未来への希望を手にする事が出来ます。